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佐々木譲の散歩地図

ニューヨーク日記3

ニューヨーク日記3_a0019702_6302.jpg7月13日
深夜3時半に目を覚ます。ここで起きてしまうと、時差ぼけがひどいことになるので、すぐに誘眠剤を飲んで、もうひと眠り。次に目覚めたのが8時半。これでなんとか、これ以上ひどい時差ぼけにはならずにすむでしょう。

12時、北海道ゆかりの会、という言わば県人会の、その会長さんT氏と、V社S氏、そしてわたしの三人で会食。というか、T氏にごちそうになる。

食事のあと、V社のオフィスへ。出版契約書にサインするという、たいへん大事なイベント。きょうまではずっと口約束だけで進んでいたのです。とはいえ、本が出てから契約書にサインというのは、日本のほかの出版社の場合もだいたい同じですね。
さらに『エトロフ発緊急電』『ストックホルムの密使』の2冊の翻訳についても、V社でやってもらえるよう契約。もちろん、これが実現するかどうかはひとえに『Zero Over Berlin』の売れ行きにかかってくるのですが。
編集長のY氏は、『鷲と虎』をまだ読んではいなかったとのこと。帰国後すぐに文庫版を送ると約束。

オフィスの会議室を借りて、100冊の本に、アルファベットと日本語でサイン。アルファベットのサインなんてしたことがありません。どんなサインにすべきか、マーケティング担当のAさんにアドバイスを受けて、それっぽいサインを作りました。

本日は、夜に、北海道ゆかりの会主催のウェルカム・ディナー。ここで『Zero Over Berlin』を売る予定です。
遅くなるかもしれないので、日記をいまのうちにアップ。

写真は、昨日ウエストビレッジで撮ったもの。
わたしが住んでいたころ、ここにライオンズヘッドというバーがあって(左側のドア)、わたしはときどきここにビールを飲みに行きました。物書きの卵たちがよく集まっていた店らしく、店の壁にはピート・ハミルほか、ニューヨークの作家、ジャーナリストたちの最初の本のカバーがていねいにディスプレイされていた。わたしはビールを飲みながら、自分もいつか作品が翻訳されたなら、ここにそのカバーを貼ってもらいたいものだと、密かに夢見ていたのでした。いま、翻訳されるという夢は実現しましたが、残念なことに、そんな夢を育んでくれたライオンズヘッドのほうは、なくなっていた。代わりに、看板にあるようなJAZZの店ができています。変わったのは看板だけで、内装のカバーの展示がそのままだということはないかな。いずれにせよ、ライブがある店のようですし、ここには一度入ってみることにします。もしかすると、わたしがライオンズヘッドの所在地について記憶ちがいしているという可能性もなくはないのですが。
by sasakijo | 2004-07-14 06:28