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佐々木譲の散歩地図

ニューヨーク日記4

ニューヨーク日記4_a0019702_55015.jpg 7月14日
前夜の就寝は2時近かったのだけれど、昨夜同様3時半に目を覚ましてしまう。すぐに誘眠剤を飲んで寝直し。8時半起床。なんとか6時間の睡眠時間確保。今回は、時差ぼけ管理がうまくいっているほうだな。

昨夜は、北海道ゆかりの会主催のウェルカム・ディナーでした。会場は上富良野出身のマスターが経営する日本食レストラン・つくし。2番街と41丁目の角。お店の前の41丁目の通りは東方面に向かって上りの坂道です。気になって、その坂道を登り切ってみると、通りは行き止まりで、正面左手目の前に国連本部ビルがありました。ここは、いい展望台です。

ウェルカム・ディナーの出席者は20人ほどだったでしょうか。V社S氏は猛烈に『Zero Over Berlin』を売ってくれまして、15冊のお買い上げ。即席サイン会。
出席者のうち、3人が新聞社特派員、編集者が3人、わたしを含めてライターがふたり。かなり業界の偏った集まりだったかもしれません。わたしにとっては、なんとなく文化を共有している、と感じられる集まりでした。
ブライアン・シュワブという青年も招待されていました。この秋から弟子屈の中学校で英語を教えるそうです。弟子屈は中標津の隣町のようなものですから、一度バーベキューにご招待しなければ。この名前、記憶しておくために、この日記にあえてフルネームで書いておきます。

おひらきになったあと、カラオケに行きませんか、という話になり、同行することに。壱番街、という、日本人のあいだでは有名らしいお店に移動。9人参加。そのうち6人が、業界関係者です。わたしはカラオケは歌いませんが、一緒に行ったひとたちとかわるがわる歓談。
カウンターの席で、ナンセンス・ソングを絶唱している人物がおりましたが、ノーベル医学賞の有力候補に数えられている日本人某氏とか。ストレスの多い仕事をしているのだろうと想像できる歌いっぷりでしたね。
1時になったところで、V社S氏と一緒に、退散することに。ほかの面々はまだまだ歌ってゆく雰囲気でしたが、みなさん、タフだ。若いということなのかな。
そういえば壱番館では、煙草オーケーでした。これってニューヨークでは非合法ですね、たしか。

きょう14日の朝は、冒頭に書いたように8時半起床。メールをチェック。やたらにウィルス感染のメールが多い。メール送信できない問題について、すがやさま、冬沢さまからアドバイス。

冷房のせいか、身体が冷えています。足がすっかり冷たくなっていて、へたをすると風邪を引きそうです。バスタブに湯を張って身体を温める。10時、ホテルを出てダウンタウンへ。チャイナタウンで中華のブランチ。

1時、V社のオフィスへ。地元日本語新聞US FrontLineのインタビューを受ける。女性レポーター氏から「ひさしぶりのニューヨークをどう感じるか」と質問されて、思わず答えてしまいました。「知的な刺激にあふれた街です」 もちろんニューヨーカー全部が知的というわけではないし、ニューヨークが知的に突出した都市というわけではありません(いつか「近況」で、フランスに傾倒している哲学者の著作をからかったことがありました)。ただ、馬、犬相手の暮しからやってきた身では、この数日、やりとりした会話のすべてが刺激的で、こんな答になったのでした。

二日間雨でしたが、きょうは晴天。気温が上がっています。V社からホテルに戻って雑用。この日記の更新も。
このあと、夕刻から、日本クラブで、『Zero Over Berlin』発刊記念のシンポジウムと懇親会。司会は日経の米州総局長・三宅誠一さんという方で、「日本発エンターテインメントの可能性」「作家の視点で見る中東・イラク問題」というテーマで語らねばなりません。前者はともかく、後者はわたしにはやや荷が重いテーマです。

写真は、V社のオフィスで、S氏と、できたてほやほやの『Zero Over Berlin』です。
by sasakijo | 2004-07-15 05:51