ここは佐々木譲が開設している備忘録ブログです。日々の暮らしと、本、映画について書いています。


by sasakijo

鎮魂のための映画

NHKニュース、特集「ネット時代、書籍文化を守れ・声を上げる作家達」、このタイトルが示すとおり、NHKは最後にもgoogle批判でまとめていた。わたしの発言で使われたのは「読者を増やす、いいシステムができたと思いますよ」という部分。

ニュースでは、和解参加派の作家は11パーセントだという。わたしはそれほど少数派か。世代間で態度にちがいがあるのではないかとも思うのだけど、そのあたりはどうなのかな。ネットを使う作家、キーボード入力をしている作家と、手書き作家とのあいだでもたぶん違いは出ているはず。


『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(監督/若松孝二)
後半を観た。森恒夫、永田洋子が山岳ベースから消えて、ようやく観ている側の気分も少し晴れてくる。妙義山ベースを捨てて、残った九人が二手に分かれるときの映像がいい。坂口弘(?)が、女性ふたりを含んだもうひとつのグループに大声で言う。「アディオース!」

スペイン語が出てくることで、逆にキューバ革命との距離を強く意識させる。

観る前の予想に反して、若松監督の視線は徹底してクールだ。連合赤軍の青年たちを賛嘆しない。英雄視しない。終始、突き放した描写。榛名山ベースでの森恒夫と永田洋子の扱いも、まったく牢名主とその情婦、という描きかただ。

監督の視点は、あくまでも殺されていった青年たちの側にある。とくに遠山美枝子への共感が深い。彼女を含め、リンチで死んでいった者たちへの鎮魂のための映画と感じられる。

あさま山荘のシークエンスでも、人質となった管理人夫人・牟田泰子さんの冷やかな目が、監督の視線なのだろう。けっして加藤兄弟三男坊ではないと感じるのだが。

それにしても、三時間十分、ヘビィな映画だった。
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by sasakijo | 2009-04-30 23:53 | 日記