ここは佐々木譲が開設している備忘録ブログです。日々の暮らしと、本、映画について書いています。


by sasakijo

オブジェが話しかける庭

札幌の時計台画廊に『鈴木吾郎テラコッタ自選展』を観にゆく。
小樽在住で、佐藤忠良の弟子筋にあたる(と言ってよいのだろうな)彫刻家さん。テラコッタという温みのある素材が、丸みあるひとのフォルムとよく合っている。とくに風をはらんだ髪の処理が独特。とてもいい作品展だった。

作品の何点かには、価格が示されている。この大家ならさもありなんという額。

じつは、農場の裏手を「彫刻の庭」としようと構想している。十二年という時間がかかったが、ようやく木々もそこそこに成長した。これから、細部造り。ただし園芸に手をかけられるわけではないので、ロック・ガーデンとすることもいちおう考えたのだった。

使い方としては、眺めるためではなく、歩くための庭。思索や瞑想のための禁欲的な空間ではなく、なごみ、リラックスするための、うるおいのある小さな世界。

そう考えると、ロック・ガーデン案は落ちる。石ではなく、情感のあるオブジェが欲しい。それも、キューピッドの噴水ではなく、現代彫刻。つまり、彫刻の庭。小品を三~五点、設置して、園遊路でつなぐのがよいだろう。

彫刻の庭とするとして、仕事場の周辺は、防風林の垂直線と、地平線という水平線しか要素がないという風景だ。また、厳しい気候の土地だから、せめて庭にだけは、柔らかな曲線が欲しい。となると、抽象彫刻ではなく、人体をモチーフとしたものがふさわしいだろう。材質はブロンズか。

というわけで、このところ美大の卒業制作展とか団体展、公募展を、時間が許す限り回っていた。ひとりの作家の作品で統一したいと思っているし、予算にも限度があるから、よい新人作家とめぐり会えることを期待して。

ただ、絵と違い、彫刻の場合は邂逅の機会がとても限定される。展覧会を回っていては、時間がかかるだけかな。

ともあれ、そういう理由もあって、鈴木吾郎の作品展だったのだ。
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by sasakijo | 2009-06-25 09:38 | 日記