ここは佐々木譲が開設している備忘録ブログです。日々の暮らしと、本、映画について書いています。


by sasakijo

『英龍伝』単行本化

江川太郎左衛門英龍の伝記小説『英龍伝』、単行本化が決まりました。

日経BP誌上で30枚×12回の連載でした。原稿量は360枚。これを倍くらいに加筆の予定です。版元は毎日新聞社。

これでわたしの幕臣三部作が完結することになります。ノンフィクションとしては『幕臣たちと技術立国』(集英社新書)で、榎本武揚、中島三郎助と並べて取り上げていましたが、小説としては江川英龍がまだでした。
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# by sasakijo | 2010-10-20 10:58 | 広告
大好評のうちに幕を閉じた舞台版『婢伝五稜郭』
演出の高橋征男が、再来年(2012年)、俳優座での新版上演を発表した。
今回の舞台のバージョンアップ版とのこと。少しタイトな作品とする構想のようだ。

わたしは今朝は4時起き。仕事。
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# by sasakijo | 2010-10-18 04:36 | 日記
舞台版『婢伝五稜郭』のレビューをさらにひとつ紹介。

公演中にレビューがどんどん書かれるというのは、お芝居が生ものであるがゆえのことだ。
小説家としては、このダイレクトな反応がある表現形式に少し羨望しないでもない。

http://d.hatena.ne.jp/oshikun/
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# by sasakijo | 2010-10-17 18:12 | 日記
『婢伝五稜郭』レビューもうひとつ。
まだ今夜の回も間に合う。明日が最終日です。

http://kozarun.blog74.fc2.com/blog-entry-702.html
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# by sasakijo | 2010-10-16 17:16 | 広告

公演中に早くもレビュー

舞台版『婢伝五稜郭』について、深い分析のレビューが出ました。
今年8月に函館で公演された、舞台版『五稜郭残党伝』との比較で語ってくれています。

http://redberrystudio.blog.shinobi.jp/
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# by sasakijo | 2010-10-15 15:55 | 広告

心を開くインタビュー

先日、仕事場でK社T誌のインタビューを受けた。窓口を通してもらった仕事だ。窓口をあいだに入れてもらったおかげで、事務的なやりとりや煩瑣な判断は窓口担当者まかせ。おかげでインタビュー自体はきわめて円滑に、気持ちよく進んだ。

仕事の回路を、窓口一本に絞ったことは大正解だった。

それでもときどき、直接に仕事を持ち込もうという試みがある。わたしはいま固定電話も携帯電話の番号も変えて公開していないし、メールも読まない。なので、「直接のコンタクトの試み」というのは、じつはわたしから強盗に侵入されたに等しい拒否反応を引き起こすことになる。

締め切りを守るため、生活のリズムを維持するために取っている防衛策。窓口を通す以外に、わたしに何かをさせる方法はない。
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# by sasakijo | 2010-10-10 21:45 | 日記

まずはこの話題から

関係各位。次の打合せで、わたしの第一声は「お芝居どうでした?」です。出版社特典を用意しています。窓口(現代制作舎)で出版社名を伝えて、チケットをご予約ください。

http://www.10quatre.com/next.html

わたしは、初日13日だけではなく、最終日17日にも舞台あいさつをすることになりました。
15日にも観に行っています。
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# by sasakijo | 2010-10-04 10:02 | 連絡
舞台版『婢伝五稜郭』の初の通し稽古に立ち会ってきた。

榎本武揚降伏のシーンはラ・マルセイエーズの合唱に送られる、と案内してきたけれど、曲が背後に流れるという演出に変わっていた。
以下は、レビューの代わりとして。

わたしの『五稜郭三部作』は、いわばストレートな革命劇だった。舞台版『婢伝五稜郭』は、原作の女性たちの役割を大きくし、さらに何人もの女性の視点を付け加えることで、「維新」と「共和国」との大義の対立を相対化している。

このような言い方もできる。榎本軍の男たちが共和国建国の「理念」を体現しているとすると、女たちは、その具体化としての「関係」と「共同性」のありかたを示す。明治新国家の「中央集権」「富国強兵」の構想に対する、強力な「身体性のある異議申し立ての存在」としての女性たちだ。

登場するアイヌとロシア人の混血、マルーシャは『北辰群盗録』の、高松凌雲の病院の看護婦、朝倉志乃、ガルトネルの内妻セツは『婢伝五稜郭』の登場人物だが、会津藩から榎本軍に身を投じた女剣士・中山と、手品師・松旭斎天良、は、舞台版のオリジナル。

さらに女性コロスは、女たちの言葉にもしようのない情念の部分を、歌とダンスとで表現する。顔合わせのときに演出の高橋征男が「この舞台ではコロスもテーマとメッセージを背負う」と話していたが、そのとおりだった。

とまあ、わたしの作品のテーマについ引きつけて語ってしまったけれども、きわめて視覚的にも派手なエンターテイメント作品。中島三郎助父子の戦死の場面(ふたりの息子を女優さんが演じる)ほか、迫力ある殺陣も見ものだ。

勝者が歪めて語ってきた箱館戦争について、敗者が語り直した物語。原作に生命を吹き込まれたような想いで、わたしは通し稽古を凝視していた。
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# by sasakijo | 2010-10-03 21:31 | 日記
舞台版『婢伝五稜郭』、あらためてご案内。
10月13日(水)から17日(日)まで。六本木・俳優座劇場。
グループ虎 + 10・Quatreプロデュース。

構成、演出・高橋征男、脚本・秋山豊、コーディネーター・豊田紀雄、高見沢公子

原作は、小説トリッパー(朝日新聞社)に連載中の『婢伝五稜郭』ですが、舞台オリジナルの趣向として、旅芸人一座が目撃した箱館戦争の一部始終という構成です。

なので、わたしの箱館戦争もの、五稜郭もののいわば総集編、名場面集という趣もあります。
たとえば、千代ガ岱陣屋での中島三郎助父子の壮絶な戦死の場面とか、榎本武揚がラ・マルセイエーズの合唱に送られて投降する場面が、舞台上に再現されます。

殺陣を担当するのは、内堀克利さんの10・Quatre。
出演は樋口泰子さん(無名塾)ほか、全部で43名。
スペクタキュラーなエンターテインメント作品です。

チケットは前売り5,000円、当日 5.500円。
全席指定です。なのでお早めにご予約ください。


ずいぶん前、新宿の小さな酒場で旗揚げした、わたしたちの演劇制作ユニット「グループ虎」が、これだけの規模のお芝居公演を打てるようになった。そのことに少し感慨深いものもあります。

わたしは13日初回と17日最終回に、舞台あいさつをする予定です。

http://confetti-web.com/detail.asp?tid=106056
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# by sasakijo | 2010-09-29 18:35 | 広告

『昭和残侠伝』全作鑑賞

『昭和残侠伝』シリーズ9本をDVDで集中的に観た(このうち3本は、公開当時にも観ていた)。

資料として観始めたつもりだったが、せっかくだからまとめて寸評を記そう。データはWikipediaから。


第1作『昭和残侠伝』(1965年10月1日公開)
o 監督:佐伯清、脚本:村尾昭、山本英明、松本功
o 出演:高倉健、池部良、三田佳子、江原真二郎、松方弘樹、梅宮辰夫、他

昭和21年の浅草マーケット利権をめぐる抗争。「帰って来た青年が共同体を救う物語」
とにかく明るい。戦後復興に賭ける群像劇で、多少任侠映画風味、というところか。真っ昼間の青空と鳩が映し出される「希望」と「解放」のラストは、シリーズ中でもこの一作だけ。

また、時代設定を戦後にしているのもこの作品のみ。ほかはすべて昭和初期という設定である。
このシリーズは、コンセプトが決まらないままに制作開始となったのだろう。

三遊亭円生の江戸弁が耳に心地よい。



第2作『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』(1966年1月13日公開)
o 監督:佐伯清、脚本:山本英明、松本功
o 出演:高倉健、池部良、三田佳子、津川雅彦、三島ゆり子、芦田伸介、他

宇都宮、大谷石の採掘利権をめぐる抗争劇。
穂積ペペがジョーイ少年となる『シェーン』だ。台詞の引用も多い。しかし全体はコメディと観たほうがよい。マカロニ・ウエスタン風味もある。

池部良の登場シーンでは、観客は当時吹き出したのではないだろうか。
レギュラーの山本麟一が、珍しく敵方ヤクザの駄目な二代目、ひまなときは綾取りをしているという男。



第3作『昭和残侠伝 一匹狼』(1966年7月9日公開)
o 監督:佐伯清、脚本:松本功、山本英明
o 出演:高倉健、池部良、藤純子、島田正吾、扇千景、他

銚子が舞台。漁業権をめぐる抗争劇なのだが、なぜか妙に重苦しい。悲劇的、とはちがう重たさ。
また、全体に汚れた、薄汚い、という印象がある。様式から逸脱しているせいだけではないと思うのだが。



第4作『昭和残侠伝 血染めの唐獅子』(1967年7月8日公開)
o 監督:マキノ雅弘、脚本:鈴木則文、鳥居元宏
o 出演:高倉健、池部良、藤純子、津川雅彦、金子信雄、加藤嘉、他

東京・浅草が舞台。建設利権抗争が、火消したちのまといをめぐる争いに移って、暴力が解放される。たかがシンボルのためにあの殺戮か、という想いはあるが、シンボルに振り回される文化体系の悲劇であるとも言える。秀次郎はヤクザではなく、堅気(鳶職・火消し)。



第5作『昭和残侠伝 唐獅子仁義』(1969年3月6日公開)
o 監督:マキノ雅弘、脚本:山本英明、松本功
o 出演:高倉健、池部良、藤純子、待田京介、志村喬、他

傑作。公開当時にも観ている。
主要登場人物の三角関係が、もっとも前景化している作品。第2作に似て『シェーン』の引用もある。藤純子の「抱いて」という台詞は、マリアン(ジーン・アーサー)の「Hold me」という台詞に対応している。

舞台も第2作と同じ宇都宮・北大谷。
シリーズ全部を観てわかったが、池部良のやさぐれ感のもっとも強いのがこの作品。というか、池部良はほかの作品ではむしろ、ほとんどが清潔感のある役柄なのだ。



第6作『昭和残侠伝 人斬り唐獅子』(1969年11月28日公開)
o 監督:山下耕作、脚本:神波史男、長田紀生
o 出演:高倉健、池部良、片岡千恵蔵、大木実、小山明子、他

浅草と玉の井が舞台。労働者や堅気がほとんどからまない、正統任侠(ヤクザ抗争)映画。ホームドラマ色も濃い。継母に反発する未熟な若者の成長がサブストーリーとなっている。

殴り込んだふたりがふたりとも生き残って警察に捕縛されないのは、これだけ。傷ついた重吉を秀次郎が支えて、雪の道の先へ消えてゆくラストもいい。公開当時、ここで「異議なし!」の声が飛んだことだろう。



第7作『昭和残侠伝 死んで貰います』(1970年9月22日公開)
o 監督:マキノ雅弘、脚本:大和久守正
o 出演:高倉健、池部良、藤純子、加藤嘉、中村竹弥、長門裕之、他

シリーズ最高傑作。これも封切りで観た作品。
小さな作り、しかも様式美の極限とも言いたいほどの端正さ。舞台は深川。

芸者の藤純子が、ヤクザの親分に手込めにされかける。これを救出する料理人、秀次郎、重吉の機転と呼吸は、胸がすく痛快さ、美しさ。名場面だ。

秀次郎、重吉、ふたりの殴り込みの理由は「共同体を救うため」というよりも、渡世人の過去から逃れられない宿命の受容である。悲劇性はシリーズ中もっとも強い。

秀次郎が、自分の裸の胸に死んだ重吉の顔を抱え込む官能的なラスト。ふたりが肌を接触させる描写はこれ一作のみ。
このシリーズのふたりの殴り込みが「道行き的」であるとは初期から言われていたが、この作品ははっきりとそれを認めている。



第8作『昭和残侠伝 吼えろ唐獅子』(1971年10月27日公開)
o 監督:佐伯清、脚本:村尾昭
o 出演:高倉健、池部良、鶴田浩二、松方弘樹、松原智恵子、他

公開時にも観ている。
股旅道中もの。親友同士が逃げる者と追う者とに分かれるドラマ。

前橋、追分、金沢と舞台が移ってゆく。一宿一飯の作法が丁寧に描写される。追跡側の秀次郎は、かつての親友ビリー・ザ・キッドを追うパット・ギャレットと重なる。



第9作『昭和残侠伝 破れ傘』(1972年12月30日公開)
o 監督:佐伯清、脚本:村尾昭
o 出演:高倉健、池部良、鶴田浩二、星由里子、北島三郎、安藤昇、他

シリーズの終了やむなしを思わせる作品。秀次郎の盟友の安藤昇の組は、人身売買を手がけている。後に対立することになるとはいえ、そういう稼業のヤクザと主人公をつるませるのはまずかろう。また、北島三郎が博打好きで、自分の妹まで売ってしまうような馬鹿。こんな男に振り回される秀次郎たちには、どうにも共感しづらい。
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# by sasakijo | 2010-09-23 13:05 | 日記